Adjust SDKには、アプリ内でのユーザープライバシーの処理に使用できる機能が含まれています。
消去リクエストを送信する
EUの一般データ保護規則(GDPR)および類似する世界的なプライバシー法(CCPA、LGPDなど)は、個人データの処理に関する包括的な権利をデータ主体に付与しています。これらの権利には、消去権(GDPR第17条を参照)(1)が含まれます。データ処理者として、Adjustは、(アプリ)ユーザー(データ管理者)からのそのようなリクエストの処理をサポートする義務があります。
gdprForgetMe
メソッドを呼び出すことで、ユーザーの消去リクエストをAdjustに送信することができます。Adjustが通知を受けると、以下の対応をします。
- Adjustはその内部システムおよびデータベースから、履歴として保管されているユーザーの全ての個人データを完全に削除します。
- Adjustは、Adjust SDKを介して、このユーザー/デバイスからデータを受信しなくなります。(2)
特定のユーザーの情報をサードパーティと共有する
Adjust SDKを使用して、ユーザーがサードパーティとの共有設定を変更した時にそれを記録することができます。サードパーティの共有設定は、AdjustThirdPartySharing
クラスを使用して構成されます。
AdjustThirdPartySharingオブジェクトをインスタンス化する
Adjust SDKでサードパーティ共有を有効化または無効化するには、AdjustThirdPartySharing
オブジェクトをインスタンス化する必要があります。このオブジェクトには、Adjustでサードパーティ共有をどのように扱うかをコントロールする変数が含まれています。
サードパーティ共有オブジェクトをインスタンス化するには、新しいAdjustThirdPartySharing
インスタンスを作成して以下のパラメーターをパスしてください:
isEnabled
(NSNumber
):サードパーティとの共有が有効化されているかどうか。サードパーティとの共有を有効化するには1
を、無効化するには0
をパスします。
AdjustThirdPartySharing
オブジェクトをインスタンス化したら、AdjustThirdPartySharing
インスタンスを引数としてAdjust.trackThirdPartySharing
メソッドを呼び出すことで、Adjustに情報を送信することができます。
ユーザーがサードパーティとの共有設定を変更する時に、詳細な情報を添付できます。この情報を使用して、ユーザーの選択に関するよりきめ細かい情報を伝えられます。これを行うには、以下のパラメーターを使用してaddGranularOption
メソッドを呼び出します:
partnerName
(NSString
):granular optionが適用されるパートナーの名前
key
(NSString
):オプションのキー
value
(NSString
):オプションの値
以下のパラメーターが利用可能です:
Partner Name | 文字列の値 |
---|
Apple Ads | apple_ads |
Facebook | facebook |
Google 広告 (Google Ads) | adwords |
Google マーケティング プラットフォーム | google_marketing_platform |
Snapchat | snapchat |
Tencent | tencent |
TikTok SAN | tiktok_san |
X(旧Twitter) | twitter |
Yahoo Gemini | yahoo_gemini |
Yahoo! JAPANスポンサードサーチ | yahoo_japan_search |
Facebookのデータ使用制限に対応する
Facebookは、カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)に準拠するために、データ使用制限(LDU)と呼ばれる機能を提供しています。この機能を使うと、カリフォルニア州のユーザーがデータ販売をオプトアウトしたときに、Facebookに通知できます。デフォルトで全てのユーザーをオプトアウトしたい場合も、この機能を使用できます。
Facebook LDUのステータスは、addGranularOption
メソッドに引数を渡すことで更新できます。
パラメーター | 説明 |
---|
partner_name | facebook を使用してLDUを切り替えます。 |
data_processing_options_country | ユーザーの居住国0 : Facebookに位置情報の使用をリクエスト。1 : アメリカ合衆国。
|
data_processing_options_state | どの州に位置するユーザーであるかをFacebookに通知します。0 : Facebookに位置情報の使用をリクエスト。1000 : カリフォルニア。1001 : コロラド。1002 : コネチカット。
|
Googleに同意データを提供する(デジタル市情法へのコンプライアンス)
EUのデジタル市場法(DMA)に準拠するため、Google 広告およびGoogle マーケティング プラットフォームは、AdjustからAPIへのアトリビューションリクエストを受信することに明示的な同意を必要とします。 この同意を通知するには、パートナーgoogle_dma
のAdjustサードパーティ共有オブジェクトに、以下の詳細オプションを追加してください。
キー | 値 | 説明 |
---|
eea | 1 (positive) | 0 (negative) | アプリをインストールしているユーザーが欧州経済地域内にいるかどうかを通知します。 これにはEU加盟国、スイス、ノルウェー、アイスランド、スロベニアが含まれます。 |
ad_personalization | 1 (positive) | 0 (negative) | Google 広告および/またはGoogle マーケティング プラットフォーム経由でパーソナライズされた広告を配信することにユーザーが同意したかどうかをAdjustに通知します。このパラメーターは、Google マーケティング プラットフォーム向けに予約されているnpa パラメーターにも通知します。 |
ad_user_data | 1 (positive) | 0 (negative) | ユーザーが広告主IDをアトリビューション目的で利用することに同意したかどうかをAdjustに通知します。 |
パートナー共有設定を更新する
デフォルトでは、Adjustは全ての指標をアプリ設定で設定したパートナーと共有します。Adjust SDKを使用して、パートナーごとにサードパーティーとの共有設定を更新することができます。これを行うには、次の引数を使用してaddPartnerSharingSetting
メソッドを呼び出します:
key
を使用すると、無効化または再有効化する指標を指定できます。全ての指標の共有を有効化/無効化するには、 all
キーを使用します。利用可能な指標のリストは以下をご覧ください。
ad_revenue
all
attribution
update
att_update
cost_update
event
install
reattribution
reattribution_reinstall
reinstall
rejected_install
rejected_reattribution
sdk_click
sdk_info
session
subscription
uninstall
パートナーの指標に対してfalse
値を設定すると、Adjustはパートナーとの指標の共有を停止します。
例
特定のパートナーとの全ての指標の共有を停止する場合は、 false
値を含むall
キーをパスします。
共有を再度有効化するには、 true
値を含むall
キーをパスします。
異なるキーでaddPartnerSharingSetting
メソッドを複数回呼び出すことで、特定の指標の共有を停止または開始できます。例えば、イベント情報のみをパートナーと共有したい場合は、以下をパスすることができます。
all
にfalse
値を指定して、全ての情報の共有を無効化する。
event
にtrue
値を指定して、イベントの共有を有効化する。
サードパーティとの共有を無効にする
全てのユーザーに対してサードパーティとのデータ共有を無効化するには、disableThirdPartySharing
メソッドを呼び出します。Adjustサーバーがこの情報をAdjustすると、サードパーティとのデータ共有を停止します。Adjust SDKは引き続き通常通り動作します。
データレジデンシー
URL戦略機能では、以下のいずれかを設定することができます:
- Adjustがお客様のデータを保管する国(データレジデンシー)。
- Adjust SDKがトラフィックを送信するエンドポイント(URL戦略)。
これは、プライバシー要件が厳しい国で事業を展開している場合に便利です。URL戦略を設定すると、Adjustは選択したデータレジデンシー地域にデータを保管したり、選択したドメインにトラフィックを送信したりします。
データレジデンシーの国を設定するには、configインスタンスのurlStrategy
プロパティに次のURL戦略のうちの1つを割り当てます。
値 | 説明 |
---|
ADJDataResidencyEU | データレジデンシーのエリアをEUに設定します。 |
ADJDataResidencyTR | データレジデンシーのエリアをTurkeyに設定します。 |
ADJDataResidencyUS | データレジデンシーのエリアをUSAに設定します。 |
ADJUrlStrategyChina | URL strageryをapp.adjust.world ドメインに設定します。 |
ADJUrlStrategyCn | URL strageryをapp.adjust.cn ドメインに設定します。 |
ADJUrlStrategyCnOnly | URL戦略をapp.adjust.cn ドメインに設定しますが、リクエストが失敗した場合、別のドメインにフォールバックすることは ありません 。 |
ADJUrlStrategyIndia | URL strageryをapp.adjust.net.in ドメインに設定します。 |
特定のユーザーの同意を計測する
Adjustダッシュボードでデータプライバシー設定を使用している場合、Adjust SDKを動作させるための設定を行う必要があります。これには、同意有効期間やユーザーデータ保持期間などの設定が含まれます。
この機能を切り替えるには、次の引数を使用してtrackMeasurementConsent
メソッドを呼び出します:
measurementConsent
(BOOL
):同意計測が有効化されている(true
)か無効化されている(false
)か。
有効化されている場合、SDKはデータプライバシー設定をAdjustサーバーに通信します。Adjustサーバーは、お客様のデータプライバシーのルールをユーザーに適用させます。Adjust SDKは引き続き通常通り動作します。
児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)コンプライアンス
アプリが児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に準拠する必要がある場合は、[ADJConfig setCoppaCompliantEnabled]
メソッドを呼び出します。このメソッドは、以下の動作を実行します。
- ユーザーが最初の
session
を行う 前に サードパーティとのデータ情報共有を無効にする。
- SDKがデバイスIDと広告ID(例:
idfa
)を読み取るのを防ぐ。
false
引数を使用してこのメソッドを呼び出すと、COPPAへの準拠を無効化できます。