Adjust SDKには、アプリ内でのユーザープライバシーの処理に使用できる機能が含まれています。
忘れられる権利のリクエストを送信する
欧州連合の一般データ保護規制(GDPR)第17条は、ユーザーに忘れられる権利(Right To Be Forgotten)を付与するものです。Adjustのサーバーが忘れられる権利(RTBF)リクエストを受信すると、Adjustはユーザーデータを削除します。また、SDKは当該アプリに対するデバイスからのリクエスト送信を停止します。
gdprForgetMe
メソッドを呼び出すことで、ユーザーのRTBFリクエストをAdjustに送信することができます。
特定のユーザーの情報をサードパーティと共有する
Adjust SDKを使用して、ユーザーがサードパーティとの共有設定を変更した時にそれを記録することができます。サードパーティの共有設定は、AdjustThirdPartySharing
クラスを使用して構成されます。
AdjustThirdPartySharingオブジェクトをインスタンス化する
Adjust SDKでサードパーティ共有を有効化または無効化するには、AdjustThirdPartySharing
オブジェクトをインスタンス化する必要があります。このオブジェクトには、Adjustでサードパーティ共有をどのように扱うかをコントロールする変数が含まれています。
サードパーティ共有オブジェクトをインスタンス化するには、新しいAdjustThirdPartySharing
インスタンスを作成して以下のパラメーターをパスしてください:
isEnabled
(boolean
):サードパーティとの共有が有効化されているかどうか。サードパーティとの共有を有効化するにはtrue
を、無効化するにはfalse
をパスします。
AdjustThirdPartySharing
オブジェクトをインスタンス化したら、AdjustThirdPartySharing
インスタンスを引数としてAdjust.trackThirdPartySharing
メソッドを呼び出すことで、Adjustに情報を送信することができます。
粒度の高い情報を送信する
ユーザーがサードパーティとの共有設定を変更する時に、詳細な情報を添付できます。この情報を使用して、ユーザーの選択に関するよりきめ細かい情報を伝えられます。これを行うには、以下のパラメーターを使用してaddGranularOption
メソッドを呼び出します:
partnerName
(string
):granular optionが適用されるパートナーの名前key
(string
):オプションのキーvalue
(string
):オプションの値
以下のパラメーターが利用可能です:
Partner Name | 文字列の値 |
---|---|
Apple Ads | apple_ads |
facebook | |
Google 広告 (Google Ads) | adwords |
Google マーケティング プラットフォーム | google_marketing_platform |
Snapchat | snapchat |
Tencent | tencent |
TikTok SAN | tiktok_san |
X(旧Twitter) | twitter |
Yahoo Gemini | yahoo_gemini |
Yahoo! JAPANスポンサードサーチ | yahoo_japan_search |
Facebookのデータ使用制限に対応する
Facebookは、カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)に準拠するために、データ使用制限(LDU)と呼ばれる機能を提供しています。この機能を使うと、カリフォルニア州のユーザーがデータ販売をオプトアウトしたときに、Facebookに通知できます。デフォルトで全てのユーザーをオプトアウトしたい場合も、この機能を使用できます。
Facebook LDUのステータスは、addGranularOption
メソッドに引数を渡すことで更新できます。
パラメーター | 説明 |
---|---|
partner_name | facebook を使用してLDUを切り替えます。 |
data_processing_options_country | ユーザーの居住国
|
data_processing_options_state | どの州に位置するユーザーであるかをFacebookに通知します。
|
Googleに同意データを提供(デジタル市情法へのコンプライアンス)
EUのデジタル市場法(DMA)に準拠するため、Google 広告およびGoogle マーケティング プラットフォームは、AdjustからAPIへのアトリビューションリクエストを受信することに明示的な同意を必要とします。 この同意を通知するには、パートナーgoogle_dma
のAdjustサードパーティ共有オブジェクトに、以下の詳細オプションを追加してください。
キー | 値 | 説明 |
---|---|---|
eea | 1 (positive) | 0 (negative) | アプリをインストールしているユーザーが欧州経済地域内にいるかどうかを通知します。 これにはEU加盟国、スイス、ノルウェー、アイスランド、スロベニアが含まれます。 |
ad_personalization | 1 (positive) | 0 (negative) | Google 広告および/またはGoogle マーケティング プラットフォーム経由でパーソナライズされた広告を配信することにユーザーが同意したかどうかをAdjustに通知します。このパラメーターは、Google マーケティング プラットフォーム向けに予約されているnpa パラメーターにも通知します。 |
ad_user_data | 1 (positive) | 0 (negative) | ユーザーが広告主IDをアトリビューション目的で利用することに同意したかどうかをAdjustに通知します。 |
パートナー設定を更新する
Adjust SDKを使用して、パートナーごとにサードパーティーとの共有設定を更新することができます。これを行うには、パートナー名とオプションを使用してaddPartnerSharingSetting
メソッドを呼び出します。
サードパーティとの共有を無効にする
全てのユーザーに対してサードパーティとのデータ共有を無効化するには、disableThirdPartySharing
メソッドを呼び出します。Adjustサーバーがこの情報を受信すると、サードパーティとのデータ共有を停止します。Adjust SDKは引き続き通常通り動作します。
URL戦略を設定する
URL戦略機能では、以下のいずれかを設定することができます:
- Adjustがお客様のデータを保管する国(データレジデンシー)。
- Adjust SDKがトラフィックを送信するエンドポイント(URL戦略)。
これは、プライバシー要件が厳しい国で事業を展開している場合に便利です。URL戦略を設定すると、Adjustは選択したデータレジデンシー地域にデータを保管したり、選択したドメインにトラフィックを送信したりします。
データレジデンシーの国を設定するには、configインスタンスのurlStrategy
プロパティに次のURL戦略のうちの1つを割り当てます。
値 | 説明 |
---|---|
AdjustConfig.DataResidencyEU | データレジデンシーのエリアをEUに設定します。 |
AdjustConfig.DataResidencyTR | データレジデンシーのエリアをTurkeyに設定します。 |
AdjustConfig.DataResidencyUS | データレジデンシーのエリアをUSAに設定します。 |
AdjustConfig.UrlStrategyChina | URL strageryをapp.adjust.world ドメインに設定します。 |
AdjustConfig.UrlStrategyCn | URL strageryをapp.adjust.cn ドメインに設定します。 |
AdjustConfig.UrlStrategyIndia | URL strageryをapp.adjust.net.in ドメインに設定します。 |
特定のユーザーの同意を計測する
Adjustダッシュボードでデータプライバシー設定を使用している場合、Adjust SDKを動作させるための設定を行う必要があります。これには、同意有効期間やユーザーデータ保持期間などの設定が含まれます。
この機能を切り替えるには、次の引数を使用してtrackMeasurementConsent
メソッドを呼び出します:
measurementConsent
(boolean
):同意計測が有効化されている(true
)か無効化されている(false
)か。
有効化されている場合、SDKはデータプライバシー設定をAdjustサーバーに通信します。Adjustサーバーは、お客様のデータプライバシーのルールをユーザーに適用させます。Adjust SDKは引き続き通常通り動作します。
子供のためのプライバシー設定
Adjust SDKには、バージョン4.32.0以降、デフォルトでcom.google.android.gms.permission.AD_ID
パーミッションが含まれています。アプリをCOPPAに準拠させる必要がある場合や、Google Playストアをターゲットにしていない場合は、ディレクティブを追加することでこれを削除することができます。
このパーミッションに関する詳細は、GoogleのAdvertisingIdClient.Info documentation
をご参照ください。
児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)コンプライアンス
アプリが児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に準拠する必要がある場合は、configインスタンスのcoppaCompliantEnabled
プロパティにboolean
値を割り当てます。このプロパティをtrue
に設定します:
- ユーザーが最初の
session
を行う 前に サードパーティとのデータ情報共有を無効にする。 - SDKがデバイスIDと広告ID(例:
gps_adid
、android_id
)を読み取るのを防ぐ。
false
引数を使用してこのメソッドを呼び出すと、COPPAへの準拠を無効化できます。
Playストアの子供向けアプリ(Androidのみ)
アプリが13歳未満のユーザーをターゲットとしており、インストールの地域が米国 ではない 場合は、子供向けアプリとして登録してください。これにより、SDKがデバイスIDと広告ID(例:gps_adid
、android_id
)を読み取るのを防ぐことができます。
アプリを子供向けアプリとして表示するには、configインスタンスのplayStoreKidsAppEnabled
プロパティにboolean
値を割り当てます。アプリを子供向けアプリとして表示するにはtrue
に、非子供向けアプリとして表示するにはfalse
に設定します。